
こんな悩みにお答えします!
- 貧血ってなに?
- 貧血の種類
- 貧血の症状
- そもそも鉄分とは?
- 貧血予防効果のあるナッツ
- 鉄分の吸収に良いもの、良くないもの
- そのほかの貧血を予防する食品
- 意識することから始めよう!
栄養士として病院で働き、退職後ナチュラルフードコーディネーターの資格を取得。
海外の食品やオーガニックフードをもっと知りたいと思い、現在はオーストラリアでのんびりと生活しています。

みなさんもめまいや立ちくらみ、頭痛など経験したことがあるはずです。私もしゃがんで急に立ち上がったり、お風呂上がりなどにくらくらすることがたまにあります。その症状は実は「貧血」かもしれません!貧血は放っておくと症状が悪化し大変危険です。今回はそんな貧血を予防する効果のあるナッツを5つみていきましょう!
貧血ってなに?

「貧血」という言葉は耳馴染みのフレーズですよね。貧血が起こる原因は、食事バランスの乱れで栄養が不足することによって体内の鉄分が欠乏してしまうことだと言われています。私たちの血液の中には赤血球というものが存在しており、さらにその赤血球の中にヘモグロビンが活動しています。このヘモグロビンはタンパク質と赤い色素のヘムというものが結合してできたもの。二酸化炭素を肺へ送ったり、酸素を体の全身に運んでいます。しかし、鉄分が不足するとこのヘモグロビンが減少し体内に充分な酸素を巡らすことができなくなるため、体のだるさやめまいなどの貧血症状が起こってしまうのです。
貧血の種類

一概に「貧血」と言っていますが、貧血にはいくつか種類があり、鉄分が不足する原因も同様に様々な要因があるので、あまりにひどい貧血のようなら早めに検査をして医師の指示のもと治療をおすすめします。
鉄欠乏性貧血

貧血になっていている人の大半がこの「鉄欠乏性貧血」と言われており、特に若い女性に多い貧血です。女性は毎月、月経によって血液が排泄されます。そのため鉄分も一緒に排泄されていまい女性の方が男性よりも必然的に体内の鉄分が減ってしまい貧血になりやすい体質なのです。そのため、成人の鉄分量は食事摂取基準で男性より女性の方が2.5g多く設定されています。男性でも貧血は十分なり得ますが、特に女性の方は鉄分を意識した食事を心がけましょう!
妊婦貧血

妊婦貧血は妊娠中期から後期になりやすい貧血。お腹の中の赤ちゃんが大きく成長していく過程で妊婦さんは赤ちゃんにどんどん酸素や血液、栄養を吸収されます。つわりの状況や個人差はありますが、妊婦の時に食欲が止まらない!なんて経験ありませんでしたか?それは赤ちゃんがお母さんの栄養を吸収しているからこそ起こること。それと同時に普段よりも多く鉄分を消費しやすいのです。また、つわりがひどい方はなかなかいつものように食べられなかったりするのでどうしても栄養が偏り、鉄分が不足してしまいがちです。鉄分の多い食品を選ぶことと、病院で処方された鉄剤などで貧血を予防しましょう!
慢性疾患による鉄の欠乏

肝臓や消化器系の疾患などの病気が原因で鉄が欠乏して貧血になってしまうケースもあります。その場合は医師の指示のもと食事や薬で徐々に治していきましょう。元の疾患が完治すれば同時に貧血の症状も治っていきます!
貧血の症状

貧血は意外と気付きにくいもの。こんな症状を感じたら貧血かもしれません!
息切れ
頭痛
慢性疲労
吐き気
めまい・立ちくらみ
食欲不振
動悸
そもそも鉄分って?

鉄分は大きく分けて2種類に分けられます。まず動物性の食物に含まれる鉄分が「ヘム鉄」、そして植物性の食品に含まれる鉄分が「非ヘム鉄」です。
何が違うのかというと、吸収性の違い!非ヘム鉄よりもヘム鉄の方が鉄分の吸収率が高いのです。なので積極的に食べてもらいたいのはヘム鉄を多く含む豚レバーや鶏レバー、わかさぎ、牡蠣などがおすすめ!ちなみに植物性の非ヘム鉄を含む食品は主にひじきやほうれん草、しじみ、ナッツ類などがあります。吸収されにくいとは言っても鉄分が豊富な食材ですから非ヘム鉄の食品もしっかり摂っていきましょう。
貧血予防効果のあるナッツ

動物性のヘム鉄が含まれている食品ってなんかクセがあって苦手だったり、気付いた時にパッと食べられるものがあまりないので正直食べづらかったりしませんか?そこで今回は鉄分の多く含まれるナッツを貧血予防に役立てていただきたい!非ヘム鉄の食品ではありますが手軽に食べられる貧血予防効果のあるナッツのラインナップをみていきましょう!
松の実

松の実ってご存知ですか?松の木になる実なのですが、松は見たことがあってもなかなか実の部分は見たことがないですよね?この松の実というのは松ぼっくりの中に存在する種子の胚乳部分です。つぶつぶしていて噛むと甘みがあり意外と美味しい!イタリアン料理のジェノベーゼのソースはこの松の実を炒って粉砕してペースト状にしたものなんです!松の実はコクがあってお料理にも良く使われています。そんな松の実には鉄分が5.5g(100gあたり)含まれていてとっても豊富!他にもビタミンB群の一つである葉酸やミネラル分の亜鉛も豊富です。赤血球を作るのに葉酸はとても重要な成分で、この葉酸を体内に吸収させるために酵素の働きが必要で亜鉛はその働きを補助します。鉄分、葉酸、亜鉛が豊富に含まれている松の実は貧血予防に最適なナッツです。生のままでも食べられますし、炒ってサラダにまぶしても香ばしくて美味しいです!カロリーが少し高めなので、大体1日20粒を目安に試してみてください。
カシューナッツ

カシューナッツはナッツの中でも特にクセがなく、濃厚で美味しいのでおつまみでも良く食べられる方が多いと思います。そんなカシューナッツは実は鉄分の含有量が6.7gとナッツの中で最も多いナッツ!
鉄分の他にも亜鉛の含有量も多く、体内の血液を造血する作用があるモリブデンというミネラルの一種も含まれているので貧血でお悩みの方は美味しく手軽に食べられるカシューナッツはおすすめなのです。しかしカシューナッツは脂質が多いため食べ過ぎは胃もたれやカロリーオーバーになり兼ねます。
1日の目安は10粒程度にしましょう!
ピスタチオ

ナッツの中でピスタチオが好きな方多いのではないでしょうか?
ピスタチオはおつまみとしても好まれますが、スイーツでもピスタチオが使われたものをよく見かけますね。綺麗な緑色が特徴的な美味しいピスタチオですが実は「ナッツの女王」と言われるほど栄養満点のナッツなんです!貧血予防のある鉄分は3.9g含まれていて、その他にもミネラル分の銅も含まれていてヘモグロビンを作るために必要な栄養素が満点なので貧血の予防に効果的です。
アーモンド

美肌やダイエットにも効果のある王道ナッツのアーモンドですが、鉄分に亜鉛、葉酸が豊富で貧血にも効果的!鉄分含有量は3.7gです。アーモンドダイエットをしながら鉄分も摂取できて貧血を予防できるのは、過度なダイエットで偏りがちな栄養を補給できるので嬉しいことですよね。
過度なダイエットは貧血になる原因ともなりうるので、食べないダイエットなどはせず、アーモンドなどのナッツ類をこまめに摂取して鉄分を補給していきましょう!
くるみ

くるみはダイエット効果や生活習慣病の予防効果もあるナッツで、一時期そのくるみの「栄養効果がすごい!」とテレビ番組で紹介された時にはスーパーからくるみが売り切れて入手困難となったほどの人気ぶりでした。
そんなくるみは亜鉛、鉄、銅が豊富に含まれているので、もちろん貧血の予防にも効果的です!そのまま食べるのが少し苦手だと感じる方は、砕いて手作りマフィンなどのお菓子に入れてみたり、サラダにまぶして加えてみてください。砕いだ方が体に栄養が吸収されやすいのでおすすめです!
【栄養士おすすめ無添加ナッツランキングはこちら!】
鉄分の吸収に相性の良いもの、良くないもの

これらの鉄分豊富な食品をせっかく摂っても鉄分の吸収を妨げている行為をしているかもしれません。鉄分吸収との相性があまり良くないものはコーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるタンニンというもの。一緒に摂ると鉄分が吸収されにくくなってしまうので、飲んでも大丈夫ですが時間をずらして飲みましょう。またアルコールや暴飲暴食も胃に負担がかかり、鉄の吸収の妨げになります。アルコールも食事も適度に楽しみましょう!また、鉄分はビタミンCとの相性が良いので、鉄分を含む食品とキャベツ、いちご、オレンジなどを一緒に摂ることをおすすめします!
貧血予防のナッツを使ったレシピはこちら
そのほかの貧血を予防する食品

貧血を予防する鉄分が豊富な食品は他にもあり、ナッツは非ヘム鉄のものですが動物性のヘム鉄の食品とナッツ以外の植物性の非ヘム鉄の食品も合わせてみていきましょう!
意識することから始めよう!

貧血はあまり気がつかない人が多いのも現実。自分の食事をちょっとだけ意識してみてください。今回紹介したナッツは特に手軽で鉄分の補給がしやすいので、常に持ち歩いたり食べるタイミングを決めたりしてサプリメント感覚で摂るようにして、貧血がひどくなる前に食材を考えて鉄分や葉酸などの貧血予防のある栄養を補給していきましょう!
「貧血ってどんな症状?」「貧血に効く食品って何だろう?」「貧血に効果のあるナッツを知りたい!」